【前編】各駅物語 Vol.5 北の大地で2回疾走した空港駅~千歳線・新千歳空港駅~

【前編】各駅物語 Vol.5 北の大地で2回疾走した空港駅~千歳線・新千歳空港駅~

北海道の玄関口。

日本国内はもちろん世界中から飛行機が集まる。

新千歳空港駅の開業は1992年。現在のターミナルビル供用開始に合わせて運用が始まった。

現在では日本で一番東にある地下駅としても知られている。

そんな新千歳空港駅を舞台に筆者の身に起こった2度の疾走劇を紹介したい。

【前編】ひたすら北へ向かうため、疾走。

千歳線快速エアポート Photo by 中村 昌寛

一度新千歳空港駅を利用したことのある人はわかるかもしれないが、千歳線にはかなりの本数の快速エアポートが走っている。そのすべてが札幌へ向かっている。

この快速エアポートは便利なもので、何時に空港に着こうがすぐに札幌へと運んでくれるのだ。

ならば、そんなに急いで空港内を走り抜ける必要はないのではないか。

問題は旅の目的地にあった。

“稚内”

それがその日の目的地。

一生忘れない北海道旅行が始まった。

次の列車は6時間後。

旭川駅 Photo by Azao Mart

宗谷本線の特急列車は「宗谷」「サロベツ」が1日3往復している。

少ない車両数でその運用を回しているため、宗谷本線のダイヤはかなり無理のあるものになっている。

旭川(発)稚内(着)備考
特急宗谷9:0012:40札幌始発
特急サロベツ1号13:3517:23
特急サロベツ3号20:0623:47
宗谷本線下り特急の時刻表

このうち特急サロベツ1号を狙っていた。次の特急3号の稚内到着は23:47。これではあまりにも遅すぎる。

次の日の行程もあるのでなんとしてもサロベツ1号に乗りたかった。

そのためには札幌を正午に発車する特急ライラック15号に乗ることが必要になる。

逆算していくとタイムリミットの快速エアポートの新千歳空港駅発車は飛行機の到着のほんの15分後ということがわかった。

しかし、仮に飛行機の遅延で列車を逃したとしても稚内までたどり着けはするのでチャレンジしてみることにした。

航空機の遅延は15分から。

成田空港 Photo by Azao Mart

突然だが、飛行機の運航状況をサイトなどで見たことはあるだろうか。各航空会社は自社路線の航空機が定刻通り(On Time)なのか遅延しているのか()はたまた早着しているのかを速報している。

その先に乗り継ぎのある人はチェックすることも多いだろう。

しかし、鉄道とは異なり飛行機は定刻ぴったりに着くことは珍しい。その日の天候によって早く着いたり遅れたりするものだ。

この場合15分未満の遅れや早着は“On Time”と言い張れると定められているのだ。

さらに言えば、航空会社の時刻表に書いてある定刻は「飛行機のドアが閉まってからドアが開くまでの時刻」である。

つまり定刻通りについたからすぐに移動できるわけではないのだ。

これらを加味すると、目的の列車まで15分という時間はかなり無謀であることがわかる。

空港で秒単位の攻防。

新千歳空港 Photo by Azao Mart

筆者の乗った飛行機は途中滑走路の順番待ちなどもあり、定刻よりも5分遅れて“定刻通りに”到着した。

扉が開いたからといってすぐに地上へ降りられるわけではない。

幸い荷物はなるべく少なくまとめていたため、比較的早くに機外へと出ることができた。

ボーディングブリッジを渡り、到着ロビーへ出た時点で残りの時間は5分。

この5分間で新千歳空港駅の改札口へ向かい、道北方面のフリーパスを買い、快速エアポートに乗車しなければいけない。

したがって一回目の疾走はここで繰り広げられることとなった。

混雑している場所は減速を強いられたものの、発車の20秒前に列車に乗り込むことができた。

稚内駅 Photo by Azao Mart

17:23。

途中区間の遅延もなく、無事に日本最北端の駅、稚内駅へ到着した。

この時は、まさか自分がこの後大変な目に遭うということを知る由もなかった・・・

続く